バンクーバー生活での気になるバンクーバーの医療に関する事。辛い時にとっさにどうしたらいいのか分からない状況こそ地獄ですよね?バンクーバーで体調不良やケガをした時の流れをまとめました。
バンクーバーの病院
【バンクーバーでの医療の流れ】
1.クリニック(Walk in Clinic)で受診
2.薬の処方で経過観察、または必要であれば検査(レントゲン、エコー、血液、尿など)
3.経過観察や検査の結果により必要であればクリニックの医師が専門医を紹介
4.専門医の予約を取る
5.専門医で受診
流れだけを見ると「え?専門医に直接診てもらえないの??」と驚きますよね?私も最初は驚きました!さすがに日本の医療のようにはいかないようです。
バンクーバーではまず「クリニック(Walk in Clinic)」に行きます。クリニックへは症状が出た時にすぐ受診できますが、ほとんどのクリニックでは約30分から1時間待ちが普通です。
「体調が悪いのにそんなにも待たされるの?!」と思いますよね。一番長い時で約1時間半以上待つことも。日本では大きな病院の外来はとても長い時間待ちますよね。そんな感覚です。
しかし、予約できるクリニックもあるので安心してください!その日の予約も受け付けていますが、患者さんがいっぱいで予約ができないことがありウォークイン(予約なしで行く)を勧められることもあります。
クリニックの受診は、初診であれば名前などの個人情報や症状を用紙に記入し保険番号が(医療保険があれば)必要です。
カナダの医療保険「MSP(Medical Service Plan)」に加入してれば薬以外の医療費は無料(歯科以外)2020年から保険料が無料に!
MSPに加入できるのは、カナダ市民・カナダ永住者・短期滞在ビザ保持者(学生、就業、ワーキングホリデイなど)
旅行者の方は海外旅行保険の取り扱いがあるクリニックで受診。クリニックによっては前払いがない無料で受診できるクリニックもあります。
万が一保険がない場合のクリニックの受診料金は、約CAD100~150くらいです。実際に保険なしでクリニックを受診した経験がありますが、その時に支払ったのは大体CAD120+薬代でした。
クリニックでは、待合室で順番を待ち、名前を呼ばれたら部屋へ行きさらに先生が来るの待ちます。クリニックへの受診一回目では症状がよほでない限り専門医へ紹介してもらえません。
まずは、必要であれば検査(レントゲン、エコー、血液、尿など)、そして基本的に初診後は明らかな症状が出ていても薬を処方してもらい1週間~2週間の経過観察です。
しかし、クリニックの医師が初診で専門医が必要と判断すればすぐに紹介、または救急センターへ紹介してくれます。
一度腹痛でウォークインクリニックを受診した際(約1時間半待ち)に医師がすぐに疑いのある病名のメモ書きを渡され「今からこのメモを持って救急病院に行ってください!」と言われ近くの救急センターに行きました。
バンクーバーでは救急センターまでもが長時間待ちですが、盲腸と結石の疑いがあった私は医師の紹介があったので待つことなくすぐに一通りの検査を受けることができました。
正直、薬を出してもらってすぐ家に帰ろうと思っていましたが、救急センターに回された時は「え?そんなに重症??」と私自身思ってもいなかった展開だったので驚きました。
さらに驚いたのは、必要な検査を全てその日にやってもらえた事。MSPに加入していたのでその全ての検査が無料。
別の機会では、明らかに皮膚科医が必要と思うほどの皮膚症状でしたが、専門医を紹介してもらえませんでした。患者と専門家である医師の判断のギャップ、そして医師によっても「判断」は様々なようです(笑)
レントゲン、エコー、血液、尿などの各種検査ですが、クリニックではできません。(クリニックによっては尿検査をできるクリニックもあります。)
レントゲンやエコー、血液検査と尿検査はそれぞれ検査する専門機関があります。クリニックで医師に検査の書類を渡され専門機関で検査し、結果はクリニックの医師に直接送られ異常がなければクリニックからの連絡はありません。
検査の結果で専門医が必要であればクリニックの医師が専門医を紹介してくれます。自身で専門医の予約をし、紹介状を持って受診します。
専門医の受診は完全予約制です。専門医の予約は1ヶ月待ちや長い時で3か月待ちという事もあります。長いですよね…待ちきれなくて日本に帰国し日本の病院を受診される方も少なくありません。
経過観察で症状がよくならない場合は、もう1度クリニックを受診し必要あれば医師が専門医を紹介してくれます。2回目以降は専門医に紹介してもらえる確率は上がります。
元々少しアレルギーを持っている私は症状がそこまでひどくはなかったのですが、2回目のクリニックでの受診で皮膚科に紹介してもらえました。
皮膚科を受診し、他にも様々なアレルギー検査をしてくれました。日本で使用していた薬なども詳しく聞いて下さり親切に対応していただきました。
1回の受診で諦めず、我慢せずに症状が良くならない場合は2回目、3回目、受診するクリニックを変えるなどして良くなるまで受診することがおすすめです。
産婦人科で授産の仕事をしている看護師の知り合いが言っていましたが「日本人は痛みに強いのか?!痛くても叫ばないし無痛を選ばない!!カナダ人は少しの痛みでも狂ったように叫びまくるし絶対に無痛分娩!!(大笑)」といつも言っていました。
だからなのかバンクーバーのクリニックでは「痛い」と言えばすぐに痛み止めを処方されます。「痛い=痛み止め」という感覚のようです(笑)
痛み止めでは根本的な原因を直す事にはならないので私はいつも飲まないようにしています。処方される痛み止めも普通に誰でもドラッグストアで購入できる痛み止めです。
だからいつも断っていたら先生から「痛み止めは要らないよね?」と逆に効かれるようになりました(笑)
クリニックで痛み止めが要らない場合は断ることができます。黙って処方されほとんど飲まない、いつでもどこでも購入できる薬にお金を払うなんてもったいない!
眠ることができないようなよっぽど我慢できないほどの痛み飲むくらいです。必要なのは根本的な原因を知る検査が必要です。こちらの意思はクリニックでしっかり伝えましょう!
そして、心配なのは症状だけではありませんよね?クリニックを受診する際は、医療に関する事ですからちょっとしたニュアンスが伝わらなかったり医師の言っていることが理解できないと更に不安です。
クリニックによっては日本語で通訳をしてもらえるサービスがあるので迷うことなく利用しましょう!
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ファミリードクター
クリニックには「ファミリードクター」と言って、いつも同じ一人のドクターを受診するシステムがあります。特定のドクターの患者になることです。
メリットは、
- 毎回先生が変わると過去の履歴をまた一から話さなくてもいい
- 体質や症状、時系列など知ってくれている
- いつも同じ先生に診てもらうので安心
デメリットは「ファミリードクターになってくれる先生を見つけるのが難しい」
ファミリードクターが新たに新規患者を受け入れていなかったり、現地に住むロコの人でも「ファミリードクターが見つからない…」と言っているのを聞いた事もあります。
しかし、緊急を要する症状で救急センターで検査の後、その「結果をファミリードクターに渡さないといけないから」と新規患者受付中のファミリードクターのリストを渡されました。
たまたま受診したクリニックの先生が「ファミリードクターになってくれる」と言ってくれることも。こればっかりはタイミングのような気がします。
ファミリードクターを探している方は、クリニックの医師や知り合いに「ファミリードクターを探している」という事を相談してもいいかもしれませんね。
バンクーバーの薬局
バンクーバーでは、まずクリニックへ行くとお伝えしてきました。クリニックで受診した後、必要であれば医師から薬の処方箋を渡されます。
バンクーバーの薬局は「Shoppers Drug Mart(ショッパーズ)」や「London Drugs(ロンドンドラッグス)」店内の奥の方、処方箋なしで購入できる薬コーナー付近にあります。
クリニックで受け取った処方箋を持って近くの薬局へ行き処方箋を渡し薬を受け取ります。処方箋を渡してから薬が出来上がるまでは、約15~30分。薬によっては次の日になることも。
薬局では、医師からの処方箋で薬をお願いするだけでなく「症状があるがクリニックに行くほどでも…」というような場合に薬局で症状を伝えるとお店で買えるおすすめの薬を紹介してくれます。
カナダに来たての時は、症状や英語表示の薬に迷う事もあると思います。販売されている薬で迷った時は薬局のスタッフに気軽に相談しましょう!
バンクーバーの救急病院
クリニックでは約30分~1時間待つこともあるとお伝えしましたが、そんなに「待っていられない!!」というような深刻な状況の場合は救急センターを利用します。
しかし、救急センターもクリニック同様に受診を待つ患者さんでいっぱいです。約30分~1時間、長い時で約2時間以上待つこともあります。
ただ、非常に危険な状態だと判断された時は、他に待っている患者さん達を飛ばして先に診てくれるので安心してください。
その日に出勤している医師によりますが全ての検査とまでは行きませんが、クリニックではやっていない検査をすぐにしてもらう事が出来ます。
万が一の時は、
『バンクーバーでエマージェンシー(緊急事態)や救急車の呼び方、コストは?』の記事も参考にして下さい。
最後に
慣れない海外生活で医療に関する事は不安ですよね。初めは日本とは全く違う医療システムに混乱しますが、慣れてしまえば安心!日本に帰国の際は「健康診断を必ず受ける」など、早期発見や日頃の生活習慣から気を付けたいですね!